2013年06月01日

明治32年夏場所番付発表 (朝日新聞/明治32.5.18)


○回向院大相撲の番付
・当五月場所の番付は、既記の如く昨日午前四時を以て発表となりたり。 ○角觝雑俎
・新番付中幕内力士に席順の昇降あるは皆自身の技倆によること勿論なるが、そのうちについて特に著しきは常陸山の前頭筆頭に進みたる事なり、また西の梅ノ谷は遂に関脇に進みたるが、大砲を凌ぐに至るも遠からざるべし、次にまた幕下より新たに入りたるは谷ノ川八剣鬼竜山の三人にして稲瀬川は幕下二枚に下降したるが、幕下にては著しき昇降なく、かえって三段目の鷲ヶ濱が二段目下より二十二枚に若返りたるあり、及び知恵ノ矢のますます下降したるは気の毒にて、養老金を得たらんには廃業するもよし。
大戸平は年寄尾車となり検査役を命ぜられ、鬼鹿毛高ノ戸は廃業したる由。
・大番付の編成について或る協会役員の語るところに依れば、従来は年二季回向院興行打上げののち直ちに両取締検査役協議のうえ成績を見て増給及び順席を定め、上梓の原稿を編して各地方へ出稼きに赴きたるが、斯くしては幕内力士及び幕下十枚は左右すべからず、其の以下のみ奨励のため地方巡業中特別の働きありしを見て席を直す事となり居りしが、自今は年二季興行の一二日前に取締役検査員の面々集会して確定する事になしたる由。
・昨年好角同志会なるもの起こりしも種々面白からぬ噂ありて入会する者少なかりしが、角觝協会にては今回特に同会員の観覧場を設け置き、満員客留めの節といえども同会員の徽章ある者に限り特別の便利を与えて斯道の隆盛を計らんと勉めたれば、会員は大いに便利を得べしとなり、今同会の要領を摘記せんに、入会金一円にて月々にて月々二十五銭を出せば年二季の大相撲及びその他の花相撲へ無代にて入場するの権あり、また一時金三十円を差し出せば名誉会員となり得て、爾後月掛を要せず其の収入金額は協会に保存して銀行へ預け、老功力土の廃業その他疾病に罹りし際、救助し又は養老金を与えて老後零落する者を扶助するの目的なりとぞ。

新番付が発表されました。なぜ昔も今もこんなに朝早い発表なのでしょうか(;・ω・)大砲はここ3場所で黒星を1つしか取っておらず、ついに大関昇進です。引き分けが多いのでそれほど好成績を挙げた印象はありませんが、ケタ違いの体格で相手を圧倒する相撲は大関の貫禄ありと判断されたのでしょうか。人気面でも申し分ありません。西の大関には鳳凰がいますが先場所は不振でしたので後釜を作っておこうという意図もあるかも知れません。いずれにしろ先輩大関を張出に押しのけての昇進となりました。先場所好成績の梅ノ谷は新関脇。新入幕で大暴れした常陸山は東方の三役に空席がなく前頭筆頭止まり。それでも記事にある通り、この1年で大躍進と言えるでしょう。記事によると番付は本場所が終わるとすぐに編成会議を開き、決定してから各自巡業などに出発し、次場所の開幕が近付いたら新番付として発表。この流れは現在もほとんど同じですが、一番違うのは幕下以下については巡業で頑張ったと認められた力士には多少の昇進があったということでしょうか。これからは本場所1〜2日前に確定させるようにしたとの事です。番付の印刷には間に合わないでしょうから、紙面では幕下三十枚目でも実際は二十枚目格というような事があったのでしょうか?さて大相撲ファンクラブ、年会費1円と月々25銭で本場所の優先入場や花相撲の無料招待があったようです。いいですね〜(・ω・)終身会員は30円。力士の治療費や退職金にあてるとのことで、良いアイデアだと思います。
posted by gans at 04:47| Comment(0) | 大相撲
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